2020.05.29

年100時間削減!mitocoで書類整理の自動化テク

mitocoで顧客の書類を整理しよう

ドキュメント管理を行ううえで、顧客に向けの資料が個人で管理されていたり、整理せずに保管されていたりすることはないでしょうか?
長い付き合いの顧客となれば、関連する資料が増えたり、担当者が変わったりして、「3年前のあの打ち合わせ資料はどこ...」なんてことになりかねません。

mitocoには
・ドキュメントを管理する文書管理
・顧客(取引先)情報管理
といった機能が含まれているため、上手く使ってあげると、この課題を解決できそうです。

mitocoの文書管理とは

詳細の前に、mitocoの文書管理についておさらいしましょう。
mitocoの文書管理とは、主に下記の機能が利用できるドキュメント管理アプリケーションです。
・未既読管理
・お気に入り
・バージョン管理
・外部公開
・MyView
・検索 etc..

文書管理でできること

特に"バージョン管理"の機能は「過去の書類が散在し、最新版のファイルがどれかわからない」なんてことを防ぐことができるのでおすすめです。
他の機能についても興味のある方は以下をご覧ください。

文書管理と取引先情報を連携する

さて、バージョン管理を行ったとしても、どこに資料を格納するのかを考えないと、結局のところどの取引先のものかわからない資料が、各所に点在してしまいます。
そこで、以下のような仕組みが作れたら効率的に書類整理ができると思いませんか?
自動で取引先用のフォルダとレコードへのリンクを作成して書類整理
対象の取引先を同じ名前のフォルダを作成し、取引先のからフォルダへの動線をURLで連携したものです。これで、顧客に関連する資料をスムーズに整理できます。

※この仕組みはmitocoの動作基盤であるSalesforceで使える機能(「プロセスビルダー」と「フロー」)を使って構築しています。

他にも、取引先の関連リストなどから利用できる「ファイル」で資料を共有することもできますが、フォルダの階層構造を確認しながら資料を整理したいと思ったときには、画面に物足りなさがあります。
mitocoの文書管理であれば、ひとつの画面内で各階層のフォルダ構成をみながら整理できるため、後に自分以外のメンバーが書類を探すときに苦労しないでしょう。

ファイルとmitoco文書管理のちがい

もしこの仕組みと同じことを手作業で行おうとすると
・新しい顧客が増えるたび、フォルダを作成
・新しい顧客が増えるたび、リンクの登録を行う
ことが必要になり、仮に1件あたり6分かかる操作であれば、年間1000ファイルで年間100時間も時間を消費することになります。非常に非効率です。

そこで今回は、mitocoの文書管理で作成したライブラリ(最上位フォルダ)の直下に、顧客名のフォルダを自動作成する設定をご紹介します!

設定の概念

mitocoユーザは「プロセスビルダー」と「フロー」を使うことで、ポイント&クリックでさまざまな作業を自動化させることができます。
今回の大まかな設定の流れとしては
 1. 下準備
  1.1. 文書管理の設定
  1.2. カスタム項目を作る
  1.3. 設定値をメモする
 2. フローの作成
  2.1. 該当のライブラリを親にした、顧客名(取引先名)のフォルダを作成
  2.2. 作成したフォルダのアクセス権を設定
  2.3. 対象の取引先レコードに該当のフォルダへのURLを設定
 3. プロセスビルダーの作成
  3.1. フローを起動するプロセスビルダーを作成
となります。

※プロセスビルダーとフローを含め、以降の記載でもSalesforceの機能をあわせた説明となります。

下準備1:文書管理の設定

まず始めに、mitocoの文書管理での下準備を行いましょう。

mitocoの「アプリケーション設定」を開きます。
続いて「文書管理」セクション内の「ライブラリ設定」をクリックします。
その後、ファイル作成の起点としたいフォルダ名を入力します。
フォルダへのアクセス制御は共有対象とする、公開グループを割り当てます。

文書管理でライブラリの設定

下準備2:カスタム項目を作る

取引先に、作成されるmitocoのフォルダへ遷移するためのリンクを格納するため項目を作ります。
取引先オブジェクトで以下のようなURL型の項目を作成します。

取引先オブジェクトに作成する項目

設定する内容

・オブジェクト: 取引先
 - ステップ 1. データ型の選択
  * データ型: URL
 - ステップ 2. 詳細を入力
  * 項目の表示ラベル: 任意
  * 項目名: 任意
  * 説明: 任意
  * ヘルプテキスト: 任意
  * 必須項目: 未チェック
 - ステップ 3. 項目レベルセキュリティの設定
  * 望むようなアクセス権になるよう任意に設定
 - ステップ 4. ページレイアウトへの追加
  * 望むようなアクセス権になるよう任意に設定

下準備3:設定値をメモする

後ほど作成する「フロー」ロジックで、利用する3つの値を控えておきます。

フローロジックで活用する値

名称 設定値 備考
共有対象の公開グループID ライブラリに設定した公開グループの詳細画面を開いた際、URLで「3Fid%3D」より後ろの「005」で始まる15桁 作成されたフォルダの共有対象とする公開グループのID
ライブラリID 作成したライブラリを選択した際のURLで、「=folder/」より後の18桁 作成されるフォルダの親ライブラリのID
mitoco文書管理のベースURL 作成したライブラリを選択した際の「https:// から =folder/」までのURL値 mitocoの文書管理へのリンクを生成する際に利用

フローの作成

では、これまでに下準備したものを使い、自動化ロジックを作成してみましょう。
自動化ロジックは「プロセスビルダー」と「フロー」で構成されています。先にフローのロジックを作りましょう。
大まかな流れとして
 1. 該当のライブラリを親にした、顧客名(取引先名)のフォルダを作成
 2. 作成したフォルダのアクセス権を設定
 3. 対象の取引先レコードに該当のフォルダへのURLを設定
の3ステップの構成です。

フローの外観

フロー1. 該当のライブラリを親にした、顧客名(取引先名)のフォルダを作成

顧客名のフォルダを作成するため、レコード作成処理を設定します。
「レコード作成」をサイドバーのツールボックスからドラッグ&ドロップして、以下の設定を入力します。

フロー: フォルダ作成

設定する内容

・要素: レコードを作成
 - 表示ラベル: 任意
 - API参照名: 任意
 - 作成するレコード数: 1
 - レコード項目の設定方法: 個別のリソースおよびリテラル値を使用
 - オブジェクト: 「フォルダ」
 - フォルダの項目値を設定:
  * Name: フロー外部での入力を許可したテキスト型の変数(例. accountName)
  * TSMNTCLB__Layer1__c: メモしておいた"ライブラリID"を入力
  * TSMNTCLB__ParentFolder__c: メモしておいた"ライブラリID"を入力
 - フォルダIDを変数に保存
  * 作成したフォルダのIDを格納するテキスト型の変数(例. createdFolderId)
ポイントは、フローの外部でも利用できるようなテキスト型の変数(例. accountName)を作成し、フォルダ名(Name項目)に割り当てるところです。
このaccountNameの値は、フローの起動させるプロセスビルダーを作成した際に設定します。

フロー2. 作成したフォルダのアクセス権を設定

フロー1で作成したフォルダのアクセス権の情報、レコード作成処理を設定します。
「レコード作成」をサイドバーのツールボックスからドラッグ&ドロップして、以下の設定を入力します。

フォルダのアクセス権の作成

設定する内容

・要素: レコードを作成
 - 表示ラベル: 任意
 - API参照名: 任意
 - 作成するレコード数: 1
 - レコード項目の設定方法: 個別のリソースおよびリテラル値を使用
 - オブジェクト: 「共有:フォルダ」
 - 共有:フォルダの項目値を設定:
  * AccessLevel: Edit
  * ParentId: フロー1の手順で定義しておいた、作成されたフォルダのIDの変数(例. {!createdFolderId})
  * RowCause: Manual
  * UserOrGroupId: メモしておいた"共有対象の公開グループID"を入力

フロー3. 対象の取引先レコードに該当のフォルダへのURLを設定

最後に作成したフォルダへのURLリンクを取引先の項目に表示する設定を行います。

取引先のURLを更新

ここでも、フローの外部でも利用できるテキスト型の変数(例. accountId)を作成し、取引先レコードの検索条件として割り当てます。
また取引先のURL項目には、メモしておいた「mitoco文書管理のベースURL」と1で作成したフォルダIDを結合した数式の値が入るようにします。

フローを起動するプロセスビルダーを作成

最後に先ほど作成したフローを起動する、プロセスビルダーを作成します。

プロセスビルダーの設定

これで設定は完了です!

自動化されているか確認

実際に、取引先を新規に作成して設定したロジックが動いているか見てみましょう。

取引先の作成画面

取引先を保存すると、mitocoの文書管理に取引先名のフォルダが作成され、取引先の項目にもフォルダへのリンクが反映されています!

自動化されていることを確認

おわりに

今回は、新しい顧客が増えるたびに自動で取引先用のフォルダとレコードへのリンクを作成して書類整理する仕組みをご紹介しました。
テレワークにより、コミュニケーションのあり方が変わり、情報共有はより大事なものとなります。実際に弊社内でも似たような仕組みを構築し運用を行っています。

ぜひmitocoで情報管理をする際には参考にしてみてください。

※ 今後のmitocoならびにSalesforceのバージョンアップに伴い、本記事の設定内容等が変更となる可能性がありますのでご了承ください。
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